京都老舗巡りをしてきました。
その前になんで老舗を巡るのか。
たんに好き。というのが一番ですが、学ぶところ・気付きが多いから。
長年にわたって商売を続けてきている企業というのには何かある。
もちろんそれに気付けないこともあるし、見当違いのこともあるが、それはこちらの勉強不足。
100年を越える企業を老舗と仮定するなら、戦争を経験してる。150年を越える企業は幕末・維新を経験してる。
恐慌や不況も何回も経験してると思う。でも続いてきた。
とても運とかその時の流れ、流行り廃りというものではない。
色んなことを気付かされてきた。
まず老舗はその町、従業員、お客様、関係者(仕入れ先など)から愛されている。
みんなその会社のことを我がこととして想っている。
大切にしている企業文化がある。それがお店と従業員に滲み出ていることが多い。
お客様を選別することは基本的にはないが、商品やサービスについてはとことんこだわっている。
だからこそその商品・サービスに合うお客様しかいなくなるが、永く良い関係が築ける。
当たり前のことをずっと続けることの大切さと凄さも共有されているし、実践されている。
短期的な視点や業績というところからの発想ではない。
そして感謝する心、雰囲気がある。
その他にもいろいろとあるのだけど、そんな風にありたいという想いと、どうしたらなれるのか、という想いで巡っているのである。
さて、まずは京都の【尾張屋】というお蕎麦屋さん。http://www.honke-owariya.co.jp/
創業1465年なので、まだ室町時代。すごい歴史。
老舗さんの名物には物語があることが多い。商品の名前にしてもそう。
またこうしてほしいというこだわりを伝えてくる。それは食べ方であったり、所作であったり。
それはすぐに考えて短い時間で答えを出さないといけない今とは違う重みと趣がある。
出入り口の戸はみんなの開けたり閉めたりと店主の掃除で磨り減っている。
そういうのが信用力なんだと思う。表には出てこないレビューなんだと思う。
さて、その後【田中直染料店】へ。http://www.tanaka-nao.co.jp/
創業1733年の染料屋さんである。
アパレル関連や着物、祭り用品などに携わらせていただいているので、染めについては知っておかなければならない。
お客様が何組か先にいらっしゃった。その方々とのやり取りを聞いてみる。
そうすると色んなこうありたい、こうしたいという要望を伝えている。
どうすればいいのか?どの商品がいいのか?どういう方法がいいのか?
それに対して分かりやすい言葉で1つ1つ丁寧に答えている。
効率は悪いと思う。1人1人丁寧に接客をしているわけだから。
でも、染めに関するあらゆることは圧倒的な専門的知識や商品で応えてくれる。
また出版や教室などを展開して、染めの良さや裾野を広げようともされている。
専門店の小売業のあるべき姿の1つだな、と。
次はいけばなの根源【池坊】へ。http://www.ikenobo.jp/
歴史に刻まれてから550年の節目の年。今550年祭を開催中である。
日本の美の1つだと思う。
【花いくさ】めちゃくちゃ良い。
深い友情と信頼で結ばれていた花の名手・池坊専好と茶の名人・千利休。ところが、秀吉の怒りを買った利休は、非業の死を遂げる。花をも捨てかけた専好だったが花の力で立ち直った。しかしその後も、専好のまわりの罪なき人たちの命が失われていく。怒りに震える専好に、秀吉への復讐のまたとない機会が訪れる…。池坊専好と千利休感動の歴史ドラマ。
260年の歴史を誇る暖簾の老舗【みす武】http://www.misu.co.jp/にふらっと立ち寄り、
その後、お香の老舗【松栄堂】へhttp://www.shoyeido.co.jp/menu.html
300年を越える歴史を持たれており、京都の神社仏閣に商品を納めている。
中に入ると良い匂いがお出迎えしてくれますが、由緒正しき神社仏閣の名前が彫られた
木々が飾られてあった。これこそ本当の信用力。
最後は小腹が空いたので、【とり安】へ。
めちゃうめぇ。親子丼びびった。夜でも定食してるし。安いし。
聞くとそのお店は新しかったのですが、隣にある肉やさんは100年を越えているということ。
どんどん開拓していこー。