1. 2012.08.31

    繁盛店から見る方向性 その3-【中小企業のブランディング】-

    COMMENT (0)


    小売業がモノヅクリするようになる。高いものでも買ってもらえる。

     


    このために顧客密着や信頼・絆が築けていることが必要、というのが昨日のブログのハイライト。

     


    ブランドというのは信頼関係が出来たときに初めて出来るもの。

     


    だから一方通行では出来ないもの。

     


    ブランドとは、企業と顧客の「約束」の上に成り立った揺るぎない精神的な「絆」であり、商品競争と関係なく優位に立てられる。

     


    ソーシャルの時代になり、ブランディングはマスメディアやお金がある企業がするもの(できるもの)ではなく、

     


    生活者との接点全てで行われるものになっていってる。(中小企業にとっては絶好の時代)

     


    だから企業文化が大事になってくる。

     


    権限は大幅に生活者との接点を持つ人に委ねられるべきで、企業文化をベースにした自主性が重んじられる。

     


    繁盛店を見ていると全ての言葉や行動が【2WAY】になっている。

     


    ブランディングの時にも大事な視点ですが【1WAYから2WAY】へ。

     


    これをどう表すか、発信するか。

     


    例えば、品質が良いんです!というメッセージを発信している企業や商品は多いけど、

     


    これは1WAY。これを2WAYにすると、

     


    ポロコロッソ(http://www.porco-rosso.co.jp/)さんみたいに【20年後に息子に譲りたいもの】となる。

     


    品質の良さを伝えるメッセージが2WAYになっている。これだけで響くメッセージになる。

     


    ただこれって出すのが難しいし、出てもこれでいいのかな!?と思ってしまうと思う。

     


    そう思って考えていたのだが、文頭に【あなたにとって】という言葉をつけて、

     


    違和感があるか、ないか、で判別できるんじゃないかな、と思っている。

     


    例えば、【もう1つの我が家】(リッツカールトン)【第三の安らぎの場】(スターバックス)

     


    これは【あたなにとって】が文頭についても違和感が無い。

     


    もしくは文末に【ねっ!あなたもそう思わない!?】がついても違和感が無いかどうか。激しく納得できるかどうか。

     


    視点が生活者からかどうか。(もちろん生活者に変に迎合するのも良くないけど)

     


    ブランドが出来上がっていくには、X軸(縦軸)に歴史、Y軸(横軸)に接触頻度(店舗や広告など)。

     


    ベースには2WAYのメッセージ。

     


    今から大事になっていくのは、Z軸(右斜め横軸)に感動(想いの深さ。ココロ揺さぶられた度合い、など)なのだろうと。

     


    ここらへんはソーシャルの波にも乗りやすい。

     


    昔から続いている企業は意識せずともここらへんのことが出来てきた。

     


    100年を越える企業が日本は世界一。

     


    それは日本の企業や経営者が生活者と寄り添って歩みを進めてくることが得意なんだと思う。

     


    それが今の時代、もう一度大事になってきた。

     


    ファイナンスやマネジメントやマーケティングとか、欧米系の言葉がいろいろありますが、(ブランディングも含め)

     


    こんな言葉がある前から、ここらへんで言われていることは老舗企業は意識せずに体得している。

     


    特に出来て間もない業界(IT系やEC系など)は老舗企業から学ぶことは多い。

     


    結局ブランドは【あなたの企業、あなたの商品じゃなきゃダメ】という生活者から見た【存在意義】の象徴なんだと思う。

     


    それが出来ているのが老舗企業なんだろう、と。

  2. 2012.08.29

    繁盛店から見る方向性 その2-【小売業のモノヅクリ】-

    COMMENT (0)


     


    好きなことをする。そして脱効率化して、お客様と商品をつなぎ、密着させる。

     


    昨日のブログのハイライト。

     


    そこからどうするか。いろんな道がある。

     


    単品を極めて、大手と伍して戦う形もあり。(モノ売りではなく、単品売り)

     


    価値や体験をお客様に届ける形もあり。(モノ売りではなく、コト売り)

     


    あとはやはりモノヅクリだと思う。(モノ売りではなく、モノ作り)

     


    3年前このままでは中小の小売業・ネットショップの中小企業がやばいのでは!?

     


    と思って、いろんな人に会いに行ったり、勉強したりした。

     


    そこで辿り着いたのが、

     


    1.顧客密着(昨日のブログ)

     


    2.モノヅクリ(このブログ)

     


    3.企業文化

     


    この3つを徹底的にやることだ、と思い、実践&お伝えさせていただいてきたつもり。

     


    モノヅクリもデザイナーや天才が作るものではなく、お客様のことをお客様より知ってるから作れるというモノヅクリの形。

     


    小売業が川上にのぼっていくときの形。

     


    この単品におけるこのグレードでこの価値の商品があったらこんな人に売れるのになぁ、というのは小売業のMDを構築していく時には必須の考え方。

     


    これをモノヅクリに活かす。(メーカーさんに情報提供して、オリジナル商品を作る形もある)

     


    小さなお店が創意工夫して新しいものを売っている。これってステキなことだし、市場の創造だと思う。

     


    売れているものを売っていたら粗利が下がるし、大手の得意分野。ここで戦うとしんどいことになる。

     


    だから市場創造や顧客創造しないといけない。

     


    個へ。小へ。Small is Cool。Small is Smart。

     


    モノヅクリも低価格大量少種から高価格小量少種へ。

     


    これも効率の面や売上至上主義の面から大手さんはできないのでは、と思う。唯一アップルがこんな感じでやってるのかな、と。

     


    ライフサイクルが進み、個が強くなり、目も肥えた今、いかにその人にとっての価値/価格を高められるかが大事になってくる。

     


    商品が売れるかどうかは価値(=機能、デザイン、品質、素材、などなど)と

     


    価格(実際に支払う金額、失敗したらいやだなと思うコスト、買いに行く時間のコスト、などなど)のバランスによって決まる。

     


    だから、価値を上げたら良い。価格(単に金額だけではない)を下げたら良い。

     


    価値はよりパーソナルに添わないといけないので、商品もよりセグメントされ、小量になり、少種にもなる。

     


    (余談になりますが、価値のパーソナライズを表現しようとすればネットショップであれば、1商品が1商品ページであることも変わってくるかもしれない。個の価値ごとにページがあってもいいのでは!?と思ってる。リアル店舗はそれを接客でやっていた。その人を見て、話して、感じて、その人用の言葉で商品セレクトのお手伝いをしてあげる。これにどこまで近づけられるのか。楽しみである。)

     


    だから販売価格という価格は上がってしまう。だから高価格小量少種を志向する。(それが売れれば、小量が中量くらいにはなるんだろうけど。)

     


    高いものでも買ってくれるくらいの顧客密着や信頼・絆が築けている前提が必要になる。

     


    これが企業文化やブランドにつながってくる。

     


  3. 2012.08.29

    繁盛店から見る方向性 その1-【好きなことしながら脱効率化】-

    COMMENT (0)


    色んなショップに行く中で【楽しいなぁ】とか【おもしろいなぁ】とか【ステキやなぁ】と感じさせてくれるショップの共通項。

     


    ≪脱効率化して、自分たちが大切にしていることを伝える・表現する。≫

     


    ≪脱効率化して、顧客密着・感動接客をしている。≫

     


    ということ。(もちろんお客様に価値を生むこと以外では効率化してないとダメ)

     


    自分の好きなことやってるから、自然にそうなるのだと思う。

     


    勉強のためにお伺いさせてもらった繁盛店の経営者の方と話していると特に感じる。

     


    静岡の橋本屋さん(http://www.hashimotoya-maturi.com/)は【祭りで日本を元気にする!】という想いを伝えるために。

     


    北関東のサトーカメラさん(http://www.satocame.com/)は【想い出をキレイに一生残すために】という想いを伝えるために。

     


    京都の衣さん(http://www.koromo-kyoto.com/)は【布に魂を入れてくれる職人たちの思いを伝えるために】という自分たちの大切にしていることを伝えるために。

     


    などなど、他にも紹介しきれないくらいたくさんステキな企業がある。

     


    商売であればココロを動かしてなんぼ。

     


    ただたんに【モノ】と【カヘイ】を等価交換しているだけだったら安いとこにいく。

     


    安くないと売れないとも思わない。売場がでかくないと売れないとも思わない。

     


    でもココロを動かすことが出来なくて、売れないのはしょうがない。

     


    ココロを動かすことが出来なかったら、安いところ、商品が多いところ、で買うんだろう。

     


    でも消費者も本当は安いところ、商品が多いところばかりで買いたいとも思っていない。

     


    損か得か、というテーブルの上に判断基準がのった瞬間、大手が勝つ。

     


    でも、好きか嫌いか、というテーブルの上に判断基準がのった瞬間、中小が勝つ。

     


    中小企業は自分の好きなこと、大切にしたいこと、をもっともっと大事にして磨き上げて伝えたら良い。

     


    大手みたいに何かにとらわれることなく、調整することなく、自分の好きなように。

     


    お客様を喜ばせて楽しませて繁盛しているショップがたくさんある。

     


    小さくてもいいからそれぞれの事業ドメインでステキな個店が力強く経営する。

     


    そういう個店が多いところは地域としても魅力的だと思う。(人間味溢れる下町とか、台湾とかバングラデシュもそうだった)

     


    どのお店も同じような大手チェーンしかないところと人間味溢れるおもしろいおっちゃんおばちゃんのお店がたくさんあるところ、どっちが良いんだろう?どっちが行きたい?

     


    ソーシャルの時代になり、主権が生活者に渡ったのであれば、そういう時代の引き戻しがあるのではないか。(地域活性化と中小企業の台頭)

     


    ネットショップもそう。商品数が多かったら売れるというのはもうおしまい。

     


    デバイスもスマホに移行していっている。

     


    (3年で最低でも流通は3倍くらいにはなると思う。こんな成長市場なかなかないと思う)

     


    ライフサイクルも転換点間近になってNo1からOnly1(自分に合ったお店)へ。

     


    (大型店は集約され、セレクト型が出てくる。業種や単品という縦串ではなく、コンセプトや想いという横串でのショップも今よりも成り立ちやすくなる)

     


    共通していえるのは、より個へ。より小へ。

     


    商品とお客様をつなぐものが商売人であれば、そこを展開していくものがコンテンツ(その流通を早くさせたり、見つかりやすくするのがソーシャルメディアかもしれない)

     


    かけ声とか接客みたいな役割を果たすもの。だから本当に商品とお客様のことを知っているところが強い。

     


    ただ単に販売力があるから、安く仕入れられるとかいうショップは厳しくなってくる。

     


    1人1人のわがままなお客様の心やニーズや問題にピタッと寄り添わないといけない。

     


    だから売れない商品を登録するよりも、商品とお客様のことを考えてコンテンツを作る。

     


    (ここらへんが出来てると本店サイトの売上構成比が高い。できてなければモールの売上構成比が高い。これからの流れを見ても、モールの売上比率が高いショップは超危険信号)

     


    (アマゾンの動きも楽しみ。品揃え、価格、納期はものすごく強いが、ここらへんの血の通うところ(コンテンツ系)はどうしていくだろう・・・レコメンドという意味ではなく。ソーシャルメディアと連携しても解決しないと思うし・・・ウィキペディアみたいな方向なのかなぁ。。。)

     


    客層ではなく、個へ。客層別対応ではなく、あなた対応へ。

     


    大手さんは図体がでかくなって、なかなかスマホ対応(スマホ最適化)できないかもしれない。

     


    大手さんはお客様の数が多いから、売上や効率化が求められるから、個の対応が出来ないかもしれない。

     


    どう考えても中小企業が自分の好きなことを楽しくやる形が大きな流れになりそう。

     


    お客様の物理的にも心理的にも近い距離にいることが出来るし。距離の近さが中小の強みの1つ。

     


    近い距離にいることができたら、価格の優先順位は下がる。

     


    今の形の大きなビジネスはどの距離で商売していくのだろう?成り立たなくなるのかもしれない。

     


    中途半端に全部カバーしようとすると、お客様との距離が中途半端になり、誰からも見向きされないようになるかもしれない。

     


    個店がそれぞれの良さに磨きをかけて、志や自分の好きなことを宣言する。で、本気でやる。

     


    そうすると、今の構造はひっくり返る時がくるかもな、とも思う。

     


    ココロを揺さぶるためには、効率化ではない。プロの商売人の人間臭さや心。